陶器風磁器の氾濫

陶器風 磁器の氾濫

昨今は陶磁器という名前で、陶器のような磁器が多く出回っています。

『陶器風磁器と本物の陶器の違い』

磁器は高い焼成温度により原料が化学変化によりガラス化され硬化します。
磁器に比べ低温で焼成される陶器は、原料の土同士が結合され硬化します。
この2つの違いは素材感が ”ガラス的” か ”土的” という形で現れます。

陶器の魅力を模倣しようとすると、
以下の2つがポイントになります。

1.土的素材感を演出する
2.手作り感を演出する

1.に対する説明は前述で書いたとおりですが、2.は磁器は液化した原料を型に流し込んで大量に複製する性質上、手作りとは相反します。
そのため、これを補う手法に奔走しますが、ガラス面に土を表現したり、型整形で手作りを表現するため、その実現に限界があります。
写真で解説します。


これは、陶器の美しさを伝えたい人々からしてみても、磁器それからしてみても、非常に残念なことだと思われているのではないでしょうか?

つまりは、磁器である限り陶器としての美しさを再現することも出来ず、陶器を模倣する限り磁器の魅力をも伝えることも出来ない。もてなす側からしても、もてなされる側としても、その模倣行為にはおもてなしの心を見出すことが出来ないと容易に推測することができます。

しかし、実はここには「良い器」が具備する条件が潜められています。